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おかまいなしの日記

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2011年 07月 18日

やはりあちらで書きます。

http://d.hatena.ne.jp/sabio/20110717

# by the_do | 2011-07-18 02:46
2011年 05月 23日

ここ最近聴いてるジャンルと5月22日石田幹雄ライヴ

 ここ2カ月ほどの聴いている買っているCDの90%以上は、フォーク/カントリー/シンガーソングライター系という状況。新旧問わずこのジャンルはあまりに初心者なので、入門本さがすものの目ぼしいのが今のところ見つからず、ネット上や雑誌で名前の挙がっているミュージシャンをyoutubeで試聴して、そこで気に入ればアマゾンで注文、あるいは渋谷のタワレコのフォーク・カントリー売り場(ほんとにそれほど大きくないが、好きだ)で情報収集して購入検討、またはそれ系のコンピや企画ものでなるべくいろんな人の音楽を聴いてピンときたものをチェック、と、そういうことをやってる。

 新譜や比較的最近出た系では、BUDDY MILLER / MAJESTIC SILVER STRINGS 、ABIGAIL WASHBURN / CITY OF REFUGE、CORINNE WEST & KELLY JOE PHELPS / MAGNETIC SKYLINE 、復刻系ではKATE & ANNA MCGARRIGLE / TELL MY SISTER、その辺りを愛聴してる。あと最近出たものでもなんでもないが、フェアポート・コンヴェンションの「リージ・アンド・リーフ」、これはもう何度聴いても飽きない。アメリカ、カナダ、イギリスのフォーク/カントリー、新旧関係なく、なるべく同時並行で追求していきたい。

 昨日5月22日のアケタの店のライヴは、石田幹雄(p) 佐藤えりか(b) 福島紀明(ds)。先月に高円寺のペンギンハウスで観たライヴが非常にかっこよかった佐藤えりかが石田と共演しかも福島とのトリオで、なんて、これを見逃す手はないので、仕事は早番をいただき、西荻窪にかけつける。新作「瞬芸」からの曲、「ハリウス」からの曲など、石田のオリジナル曲が多かったかと思われる演奏は、激しく、重く、美しかった。おそらく初と思われるこの邂逅に立ち会えて幸運だった。

 4年前の6月に石田をこのアケタの店で初めて聴いたとき、原田依幸とか板橋文夫とか山下洋輔が若いときはこうだったのかなーかっこいいなあと感動したものだが、いま石田を聴くと、実は当然のことではあるが、石田はまた彼らとは全然違う個性なのだということをあらためて感じる。音楽への姿勢については石田自身もたとえば現在の原田や板橋を非常に尊敬していると思われるが、音楽そのものに関しては、そういった近いところにいる先達とはまったく違う、石田ワールドが特にここ最近は築かれつつある。

 顕著に見える変化は音数の少なさとリズムだ。音数が少ないというよりは無駄な音を削りに削ってということなのか、なにか近年の菊地雅章にも通じる音像ともいえるかもしれない。一音の集中力が尋常ではない。その一音一音が積み重ねられ、大きなスケールの曲が上り詰めるようにつくられていく。そしてリズムは、新作「瞬芸」でも全開のモンク的というか、リズムを崩しながら新たなグルーヴが生まれるという、傍流にみえて実はジャズの本道をいくもの。いわゆるドシャメシャ的なフリーの展開と、そして泣きたくなるような叙情性も石田の大きな個性ではあり僕も大好きなのだが、そこに留まらないための彼にとって重要な変化の時期がいまなのかもしれない。

 もちろん個人の嗜好は自由だが、金のあるおっさんの匂いが漂ってくるしょーもない音楽に接するよりは、石田幹雄のようなミュージシャンの歩みにつきあっていくほうが、自分自身の人生にも有意義だ、3人の演奏を聴き終わり帰路につきながらそう考えた。

# by the_do | 2011-05-23 12:13 | 音楽
2011年 04月 21日

4月行ったライヴや「瞬芸」や保育園の送りのことなど

 3月の地震後の計画停電の時期、娘の保育園の登園時間が変更され、「なるべく8時半から」ってことに一時なった。それまで保育園の送りをやっていた妻が出勤時間上それが無理になり、自分が毎朝保育園の送りを担うことになり、計画停電が終わった現在でもその担当は続いている。今月3歳になる娘だが、朝食と着替えをうながしてもこれがなかなか聞こうとしない。こちらもバタバタと朝の身支度をしながら、「あれー?まだ食べてないー?」とか「じゃあパパだけ行っちゃおー」とか、「あ、えらいねー全部自分で着替えたんだあ」とか、なだめすかしながら、なんとか保育園に連れていき、そのまま急いで出勤という流れ。妻は今まで偉かったなとあらためて思っている次第。

 これから行われるものも含め、石田幹雄の4月は9本のライヴ。2月3月と比べけっこう多い。良かった。うち、いまのところ自分は2本行った。月初めの3日(日)と6日(水)。前者は西荻窪アケタの店でのベース早川徹とのデュオで、後者はペンギンハウスでのおなじみ福島紀明(ds)、早川徹(b)との石田幹雄トリオ。

 アケタの店に石田幹雄が出演するのは、少なくともリーダーでってのは相当に久しぶりじゃないだろうか。おそらく石田自身もアケタで演奏するってことは特別なことと捉えてるはずで、気合いも入っていたかと思う。演奏も良く、ベース早川とのデュオも良かったが、せっかくのアケタでのリーダー、本来なら石田幹雄トリオでってのが一番理想だったよなーという感もやはり否めない。次はぜひともトリオでアケタの店で実現できれば。

 ペンギンハウスでの石田幹雄トリオは2カ月連続で観る。ここは基本はロック系の箱で、基本、複数組が出演する。先月は後半から来店したので2組しか観れなかったのだが、そのとき石田に「対バンって俺好きなんですよ」って言われたのと、あとペンギンハウスの小ぎれいではない雰囲気が好きで、今回は1組目から間に合うように到着。4組の出演で、今回はジャズ色が強かった。以下、手抜きだが、Twitterでのツイートをそのまま貼り付けます。

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・帰宅1時。今晩の高円寺ペンギンハウスのライヴめちゃくちゃ良かった。出演順⇒①潮田雄一(g,vo)②佐藤えりか(b)Grupo(山田民族g,纐纈雅代as,斉藤良ds)③福島ピート幹夫(sax) 山本秀行(sax) 伊藤大地(ds)④石田幹雄(p) 早川徹(b) 福島紀明(ds)

・良かった佐藤えりかGrupo。初見ということもあって、特に1曲目は身を乗り出してしまうかっこよさ。サックス纐纈の音色相変わらずえぐい。斉藤良のドラムは見た目ハードだがコンテンポラリーな質感が非常に気持ちよい。山田ギターも刺さる。そして、佐藤の存在感が特筆。このバンドいいな。

・そのあとの福島、山本、伊藤は、尻あがりに良くなる。最後の「キアズマ」にも似た、すべて気合いのみ、の曲。誰も文句をつけられない一線を確実に超えていた。

・そんな上がった空気のなか、トリの石田幹雄トリオ。またここで空気ががらっと変わった。固唾をのんで客席の皆が3人を見つめ、世界に引き込まれていくのが、肌で感じられる。美しい!そして安定感がある。肝は、アルバム「瞬芸」にも収録された石田作曲の「出口のない物語」。リズム、リズム、リズム。

・対バンあると良いっす。ジャズでは少ないから新鮮。予期していない演奏に触れることができるのと、喰ったり喰われたりのその緊張感は、単独のライヴでは味わえない。だから、目当てのミュージシャンの出番が終わったら帰るってお客さんも思いのほかいたことがけっこう意外だった。もったいないよな。

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 さて、もう間もなくリリースです。石田幹雄トリオの新譜「瞬芸」。モンクやハービー・ニコルスのようなリズムと間が世界を崩し・構築していく、異彩たっぷりでありながら、これこそがジャズの本道というすごい音が聴けます。僕は石田幹雄のいままでの作品で一番好きです。

# by the_do | 2011-04-21 17:25 | 音楽
2011年 04月 01日

2月18日(金)喜多直毅(vln) 蜂谷真紀(vo) 石田幹雄(p) 西荻窪サンジャック

 噂には聞いていたが、今回初めて入った料理もおいしいこのサンジャックというお店は非常に居心地がよい。東京の西荻というよりは、地方に旅行して、よい感じの飲み屋さんに夜中に訪れて、酒を飲みながらライヴを聴いているというような錯覚にたびたび陥る雰囲気。連日行っているライヴでは、歌もの(SSWなど)、即興、ジャズ、ワールド系と独自のカラーを出していて、基本はそれほどメジャーじゃない人が出演してるが、ときどき大物もライヴを行っている(4月は早川義夫とか)。

 2月18日(金)喜多直毅(vln) 蜂谷真紀(vo) 石田幹雄(p) 西荻窪サンジャック

 この日は全編、即興音楽。休憩を挟んでの2セット、それぞれぶっ通しで、決まったリズムやコードやスケールもなく3者の音が不規則に混沌としたまま投げ出される。歌という骨太な柱が貫かれた3日前の寺田町とのデュオが右だとしたら正反対の左の位置に属す音楽。そしてその右と左のあいだにジャズが入る。ジャズから右に基本的に馴染む自分としては、なかなか聴きどころをつかむのが難しくもある。聴いていてかっこいい瞬間もあるものの、一方で体の内部から揺り動かされる、うねるようなグルーヴが欲しくなるのも事実。最終的には音楽の枠の捉え方ということになってしまうかもしれないが、演者のやりとりによっては淀みが出てしまう即興という形態は、自分の好みとしてはそれほどピンと来ないときもある。

 もっともこう書きながらも、カオスなサウンドの中で、石田幹雄がものすごく重くゴリゴリにピアノを叩いていたときの、その音の響きには思わず身を乗り出してしまったりもしたのだが。

 石田幹雄は、いわゆる即興の人ではなく、ど真ん中なジャズの人だと思う。そんなこと何を突然今さらと言われるかもしれない。それでもはっきりそこだけは明言しておきたい。それは4月におそらく発売されるはずの新作「瞬芸」で、如実に示されている。(次回に続く。)

# by the_do | 2011-04-01 22:34 | 音楽
2011年 03月 31日

2月15日(火) 寺田町(vo,g) 石田幹雄(p) 西荻窪サンジャックにて

 もう1カ月以上の前のことになり記憶もだいぶ薄れているが、西荻窪にあるサンジャックというお店に、2月15日(火)と2月18日(金)に、ピアニスト石田幹雄が出演するライヴを聴きに行った。15日は、寺田町(vo,g)とのデュオで、18日は、蜂谷真紀(vo).+喜多直毅(vln)とのトリオ。前者はがっつり歌もので後者はガチンコ即興という、スタイルとしては両極端な表現。

 2月15日(火)寺田町(vo,g) 石田幹雄(p)  西荻窪サンジャックにて

 寺田町と石田は、2009年に「一片の音楽」というデュオアルバムを発表している。そして今年2月にリリースされた寺田の新譜「コヨーテ」では、石田はピアニストとしての参加に加え、“アドバイス”というクレジットまでされていたりもするので、いわゆる歌手と歌伴というものを超えた音楽的関係が二人にあるのだろうと推測できる。いや推測というか、実際に演奏を聴いて猛烈にそれは体感できた。

 この日は、CD発売記念ライヴでもあるので「コヨーテ」からの選曲が中心。冒頭からタイトル曲「コヨーテ」。これが想像以上に染みた。「ジーンときた」という稚拙ながらそれしか言いようがない形容がこれほどまであてはまる演奏はない(2月26日の国立ノートランクスでのイベント「レナード・コーエンを極める!」での中川五郎の歌にもそれは感じた。)。ザラついた、しかし実に芯の通った寺田の声が紡ぐメロディーに、石田のピアノは実に優しく寄り添い、そして歌が放り出されないようにどっしりとした大きな音楽の空間をつくる。

 圧巻は、ファーストセット最後の曲、レナード・コーエン「ハレルヤ」(レナード・コーエンがやけにかぶってすみません)。メラメラメラと燃えさかっていくような寺田の歌に対して、石田のピアノは一直線にではないのだが(そしてそれがリアルなのだが)、怒涛の大爆発をみせる。うん、やはり石田幹雄は歌が好きなんだろうなってのがよく分かった。東京に出てきてからはそれほど機会がないのだが、北海道時代には彼はゴスペル音楽にも携わっていたという経歴もある。

 演奏終了後、多少酔った勢いで石田に「ハレルヤ良かったっすー!でも石田さんはさ、レナード・コーエンとか今まで聴いたりはないでしょ?」と声かけたら、石田はフッとまじめな表情になり「真剣な話をさせてもらえれば、“ハレルヤ”という言葉の語源や歴史とかそもそも考えたときに、簡単な気持ちで弾けるものではないですよね」(←正確じゃないかもすみません)と語った。軽はずみで聞いた自分の言葉の浅さに恥ずかしくなったと同時に、ああ石田幹雄らしいなーと思った。なんだろうな、音楽を根本から捉えるその捉え方が、我々とは次元が違うのだ、この人は。

 僕の文章よりも映像を観た方が早いので、この日の一部をどうぞ、「チンピラ」です↓。

 http://www.youtube.com/watch?v=6qe9fAdQ8Lw

# by the_do | 2011-03-31 23:06 | 音楽